介護職の転職で離職率を調べるには、求人票だけで判断せず、施設・法人が公開している資料、口コミ、面接時の質問を組み合わせるのが基本です。離職率が見つからない場合は、「直近1年間の退職者数と在籍者数」「介護職だけの離職状況」を確認すると、職場の定着状況を比較しやすくなります。
介護職の転職で離職率を調べる3つの方法
調べ方は、公開情報を探す、第三者の情報を確認する、採用担当者に直接聞く、の3段階に分けると効率的です。
- 施設や法人の公式資料で離職率を探す
- 求人サイトや口コミで職員の入れ替わりに関する情報を確認する
- 面接や見学で、人数と期間を具体的に質問する
1つの情報だけで「離職率が高い」「働きやすい」と決めず、複数の情報が一致するかを確認してください。
まず施設・法人の公式資料で離職率を探す
最初に、転職を検討している施設名や法人名と、「離職率」「定着率」「退職者数」「採用実績」などの言葉を組み合わせて検索します。法人の採用ページだけでなく、事業報告書、法人の広報資料、求人資料などに掲載されている場合があります。
検索するときは、次のような組み合わせが使えます。
- 「施設名 離職率」
- 「法人名 介護職 離職率」
- 「法人名 定着率」
- 「法人名 事業報告書」
- 「施設名 退職者数」
ただし、離職率の掲載がないことだけで、離職率が高いとは判断できません。非公開の理由は分からないため、「確認できなかった情報」と「悪い数値」を混同しないことが大切です。
公開されている離職率は対象と期間を確認する
同じ「離職率」でも、対象者や計算期間が違うと比較できません。数値を見つけたら、少なくとも次の項目を確認してください。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 対象 | 介護職だけか、法人全体か |
| 雇用形態 | 正職員だけか、パート・契約職員を含むか |
| 期間 | 1年間か、複数年の平均か |
| 事業所の範囲 | 応募先の施設だけか、法人全体か |
| 計算方法 | 退職者数を期首の人数で割るのか、平均在籍人数で割るのか |
たとえば、法人全体の離職率が低くても、応募先の施設だけの状況が同じとは限りません。また、正職員の数値にパート職員が含まれていない場合もあります。
離職率の計算方法を確認する
離職率は一般に、一定期間内の退職者数を、その期間の在籍者数などで割って算出します。ただし、分母をいつの在籍者数にするかは資料によって異なるため、数値だけでなく計算方法も確認が必要です。
仮に、1年間の退職者が6人、期首の在籍者が30人だった場合、計算例は次のとおりです。
6人 ÷ 30人 × 100 = 20%
これは計算例であり、実際の施設の離職率を示すものではありません。採用人数が多い職場では、退職者数が多くても在籍者数が大きければ割合は変わります。
求人票から分かることと分からないこと
求人票では、募集人数や「増員」「欠員補充」といった募集理由を確認できます。ただし、これだけで離職率を計算することはできません。
- 募集人数が多いからといって、離職率が高いとは限らない
- 「急募」だけでは、退職者の補充なのか新規事業なのか分からない
- 同じ求人が長期間掲載されていても、募集状況までは確定できない
- 離職率や定着率の記載がない求人もある
求人票で気になる点があれば、応募先に「今回の募集は欠員補充ですか、それとも増員ですか」と確認しましょう。募集理由だけで職場の良し悪しは決まりませんが、離職者の補充が続いているかを知る手がかりになります。
口コミや転職サイトで職員の入れ替わりを確認する
求人サイト、転職サイト、口コミサイトでは、「短期間で人が辞める」「長く働いている人が多い」「新人が定着している」といった体験談が見つかることがあります。公式資料にない現場の印象を知る補助情報として使えます。
ただし、口コミは投稿者の職種、在籍時期、勤務する部署によって内容が変わります。1件の投稿を施設全体の事実とみなさず、次の点を確認してください。
- いつの時点の体験談か
- 介護職か、別の職種か
- 特定のフロアや事業所の話ではないか
- 複数の投稿で同じ傾向が見られるか
- 具体的な人数や期間が書かれているか
「人がよく辞める」という表現だけでは、離職率は分かりません。口コミは事実の確定ではなく、面接や見学で確認する内容を決めるための材料として扱うのが安全です。
面接や見学で離職状況を質問する
公開情報で離職率が分からない場合は、採用担当者や施設長に具体的な数字を質問します。「離職率は高いですか」と聞くより、対象と期間を指定したほうが答えを比較しやすくなります。
質問例は次のとおりです。
- 「直近1年間で、介護職は何人入職して何人退職しましたか」
- 「現在の介護職の在籍人数を教えていただけますか」
- 「退職者数は、正職員とパート職員を分けて把握していますか」
- 「今回の募集は、欠員補充と増員のどちらですか」
- 「入職後1年以内に退職した職員は、直近ではどの程度いますか」
- 「配属予定の部署では、直近1年間に何人が退職しましたか」
すべての質問に回答してもらえるとは限りませんが、人数や期間を明確にして聞くと、回答の具体性を確認できます。回答が「ほとんど辞めません」「長く働けます」などの抽象的な内容だけの場合は、他の情報と照らし合わせましょう。
離職率と一緒に確認したい職場の条件
離職率だけでは、転職先が自分に合うかは判断できません。離職の背景には、給与や勤務時間だけでなく、夜勤回数、人員配置、教育体制、管理者との関係なども関係するためです。
面接や見学では、次の項目も確認してください。
- 夜勤の回数と、夜勤に入るまでの研修
- 1人あたりの担当業務や、勤務中の職員数
- 入職後の教育担当者と独り立ちまでの期間
- 有給休暇や希望休の取りやすさ
- 残業の有無と、残業時間の扱い
- 直近1年間の管理者や職員構成の変化
たとえば離職率が同程度でも、教育体制が整っている職場と、経験者だけを前提にしている職場では、未経験者や転職直後の人にとって働きやすさが異なります。
離職率を比較するときの注意点
複数の施設を比べるときは、同じ条件の数値だけを並べます。法人全体と1施設、正職員と全職員、1年間と3年間の数値を混ぜると、正しい比較になりません。
また、離職率が低いことだけで職場が良いとは限りません。職員の入れ替わりが少なくても、長時間勤務や休暇の取りにくさがある可能性はあります。逆に、新規開設や事業拡大によって採用が増えている職場では、離職率だけでは状況を判断しにくいことがあります。
比較するときは、次のように整理すると判断しやすくなります。
| 確認する情報 | 判断のポイント |
|---|---|
| 離職率の数値 | 対象者・期間・計算方法が同じか |
| 退職者の人数 | 介護職だけか、施設全体か |
| 募集理由 | 欠員補充か、事業拡大による増員か |
| 口コミ | 時期・職種・部署が自分の応募条件と近いか |
| 面接での回答 | 具体的な人数や期間が示されるか |
調べた離職率から転職先を判断する方法
離職率を調べたら、数値の大小だけでなく、自分の希望条件と合わせて判断します。特に、応募先の部署や勤務形態に近い情報を重視してください。
- 介護職だけの数値か、法人全体の数値かを確認する
- 直近の情報か、古い年度の情報かを確認する
- 退職者数と在籍人数から、規模に対して多いかを考える
- 募集理由や職員配置、教育体制を面接で確認する
- 公開資料、口コミ、面接回答に大きな食い違いがないかを見る
離職率が未公開でも、それだけで応募を見送る必要はありません。一方で、質問への回答が一貫しない、配属先の状況を説明してもらえないなど、他の情報と合わせて不明点が残る場合は、採用条件を慎重に確認しましょう。
介護職の転職で離職率を調べるときは、まず施設名・法人名と「離職率」「定着率」「退職者数」を検索し、対象と期間を確認します。情報が見つからないときは、面接で「直近1年間の介護職の入職者数・退職者数・在籍人数」を具体的に質問し、求人内容や口コミ、勤務条件と合わせて判断してください。







