介護職の転職で履歴書を書くときは、採用担当者が「どのような経験があり、なぜ転職を希望し、入職後に何ができるか」を確認できるようにまとめます。特に、勤務先の種類、担当した業務、保有資格、応募先で生かせる経験を具体的に書くことが大切です。
履歴書だけで職務経験を詳しく伝えにくい場合は、職務経歴書を添えて、担当業務や実績を補足します。
介護職の履歴書で最初に確認する項目
書き始める前に、応募先の募集要項と履歴書の指定を確認してください。施設によって、提出方法、写真の要否、職務経歴書の要否、希望する勤務条件の書き方が異なる場合があります。
- 提出期限と提出方法
- 履歴書の様式や指定フォーマット
- 職務経歴書が必要か
- 応募する職種と勤務形態
- 夜勤、早番、遅番、勤務日数などの条件
- 保有資格や取得見込み資格の扱い
指定がない場合は、手書きかパソコン作成かよりも、読みやすく、記載内容に誤りがないことを優先します。同じ内容の履歴書を複数の応募先に提出する場合でも、志望動機や希望条件は応募先に合わせて調整しましょう。
履歴書の項目別の書き方
日付
日付は、提出日または郵送日を基準に記入します。面接当日に持参する場合は面接日、郵送する場合は投函日を記入するなど、履歴書全体で基準をそろえてください。
履歴書を作成した日と提出日が大きく離れている場合は、提出時点の情報になっているか確認します。
氏名・住所・連絡先
氏名は戸籍上の表記に合わせ、ふりがな欄の表記にも注意します。住所は都道府県から省略せずに記入し、電話番号とメールアドレスは、採用担当者から連絡を受けやすいものを記載してください。
メールアドレスは、迷惑メール設定で応募先からの連絡を受信できないことがあります。提出前に、必要なメールを受信できる設定か確認しましょう。
写真
写真を貼る場合は、応募先から指定されたサイズや撮影時期に従います。指定がない場合でも、本人だと確認しやすい、清潔感のある写真を使用します。
写真の裏面に氏名を記載しておくと、はがれた場合でも誰の写真か確認しやすくなります。履歴書をデータで提出する場合は、画像の向きや解像度にも注意してください。
学歴・職歴
学歴は、一般的には高校卒業以降を記載します。応募先から指定がある場合は、その指示を優先してください。学校名や勤務先名は正式名称で書き、在職中の場合は職歴の最後に「現在に至る」と記載します。
職歴では、勤務先だけでなく、施設の種類や雇用形態が分かるようにすると、介護職としての経験が伝わりやすくなります。
たとえば、次のように書きます。
- 特別養護老人ホームで介護職員として勤務
- 認知症対応型共同生活介護で介護業務を担当
- 通所介護で送迎、入浴介助、レクリエーションを担当
- 訪問介護事業所で身体介護と生活援助に従事
職歴欄に余裕があれば、主な担当業務を一文で補足します。業務の詳細や担当人数、役職、取り組みは、職務経歴書や自己PR欄で説明すると整理しやすくなります。
免許・資格
介護福祉士、介護職員初任者研修、実務者研修、普通自動車運転免許など、応募先の業務に関係する資格を正式名称で記載します。取得年月も、証明書や登録情報を確認しながら正確に書いてください。
取得見込みの資格は、取得済みの資格と区別して「取得見込み」と記載します。受講中の研修や修了予定の研修も、応募先の仕事に関係する場合は、受講状況が分かるように書きます。
介護福祉士の登録が済んでいるか、実務者研修を修了しているかなど、似た表現を混同しないことも重要です。資格名や取得状況に不明点がある場合は、資格証や修了証で確認してください。
志望動機
志望動機は、「介護の仕事が好きだから」だけで終わらせず、これまでの経験、応募先を選んだ理由、入職後に生かせることをつなげて書きます。
基本的には、次の順番でまとめると書きやすくなります。
- これまでどのような介護経験を積んだかを書く
- 転職先に関心を持った理由を書く
- 経験を応募先でどのように生かしたいかを書く
たとえば、特別養護老人ホームから通所介護へ転職する場合は、次のように書けます。
【記載例】
特別養護老人ホームで、食事介助、入浴介助、排せつ介助、レクリエーションなどに携わってきました。利用者様との関わりを大切にしながら、一人ひとりの生活リズムに合わせた支援を行ってきた経験があります。今後は通所介護で、ご自宅での生活を続ける利用者様を支え、家族の負担軽減にも貢献したいと考え、志望いたしました。
応募先の情報を十分に確認できていない場合は、実際にはない方針やサービスを志望動機に書かないでください。施設の理念、サービス内容、力を入れている取り組みなど、確認できた内容だけを使います。
自己PR
自己PRでは、介護職としての強みを、具体的な経験とともに示します。強みは「コミュニケーション力」のような言葉だけでなく、どのような場面で発揮したかまで書くと伝わりやすくなります。
介護職の自己PRに使いやすい要素には、次のようなものがあります。
- 利用者や家族との信頼関係を築く力
- 認知症のある方への対応経験
- 身体介助や移乗介助の経験
- 多職種やスタッフ間で情報を共有する力
- 記録を正確に作成する習慣
- 急な変化に気づき、報告・連絡・相談を行う力
- 後輩指導や新人教育の経験
- 送迎や訪問介護など、応募先に近い業務経験
【記載例】
私の強みは、利用者様の小さな変化を記録と申し送りにつなげることです。前職では、食事量や表情、歩行状態の変化を確認し、必要に応じて看護職やリーダーへ報告してきました。これまでの観察と情報共有の経験を生かし、チームで利用者様を支えたいと考えています。
実際に経験していない業務を、できることとして書くのは避けます。経験がない業務に挑戦したい場合は、「未経験だが、研修を受けながら身につけたい」のように、経験と希望を分けて記載しましょう。
本人希望欄
本人希望欄には、勤務条件など、採用後の行き違いを避けるために伝えておきたいことを書きます。特に希望がなければ、「貴法人の規定に従います」と記載する方法があります。
夜勤回数、勤務可能な曜日、短時間勤務、通勤に関する条件など、業務開始に影響する事情がある場合は、簡潔かつ具体的に記載します。
【記載例】
子どもの送迎のため、平日は午後6時までの勤務を希望します。その他の勤務条件については、貴法人の規定に従います。
希望を書いたからといって、必ずその条件で採用されるとは限りません。募集条件と合わない可能性がある場合は、履歴書だけで判断せず、面接時にも確認してください。
転職理由は不満だけで終わらせない
前職の退職理由を履歴書に詳しく書く必要がない場合でも、面接で質問されることがあります。給与、人間関係、勤務時間などに不満があった場合は、そのまま批判として書くのではなく、転職後に実現したい働き方へ言い換えます。
たとえば、「人間関係が悪かった」ではなく、「チームで情報共有しながら利用者様を支援できる環境で経験を生かしたい」と表現します。ただし、事実と異なる理由を作るのではなく、退職の背景と今後の希望が矛盾しないようにしてください。
退職理由が複数ある場合も、履歴書では応募先に関係する要点を簡潔にまとめます。詳しい事情を説明する必要がある場合は、面接で事実を落ち着いて伝えましょう。
ブランクや短期間の職歴がある場合
離職期間がある場合は、空白を無理に隠さず、事実に沿って記載します。資格取得、家族の介護、療養、求職活動など、説明できる事情がある場合は、面接で説明できるように準備しておきます。
短期間で退職した職歴も、原則として正確に記載します。勤務期間を省略すると、後から職歴の確認が必要になったときに、履歴書全体の信頼性に影響することがあります。
履歴書の職歴欄に理由まで書くスペースがなければ、退職の事実だけを記載し、理由は面接で簡潔に説明します。
介護職の履歴書で避けたいミス
提出前には、内容だけでなく形式も確認します。次のようなミスは、経験や意欲が正しく伝わらない原因になります。
- 施設名、在職期間、資格名、取得年月が事実と違う
- 誤字や修正液の使用がある
- 写真の貼り忘れや日付の記入漏れがある
- 「介護の経験があります」だけで業務内容が分からない
- 志望動機が応募先ごとに同じで、施設との関係がない
- 取得していない資格を取得済みとして書く
- 希望条件を曖昧に書き、後から説明が変わる
- 前職や利用者への不満をそのまま書く
誤りを見つけた場合は、指定がなければ新しい用紙に書き直すのが基本です。パソコンで作成した場合も、印刷後に氏名、日付、資格名、勤務期間を再確認してください。
提出前に確認するチェックリスト
履歴書を提出する前に、次の項目を確認すると記入漏れを減らせます。
- 日付は提出日または提出方法に合っているか
- 氏名、住所、電話番号、メールアドレスに誤りがないか
- 写真を指定どおりに貼っているか
- 学歴と職歴の年月がつながっているか
- 勤務先の正式名称を記載しているか
- 保有資格と取得状況が正確か
- 志望動機が応募先の仕事内容と合っているか
- 自己PRに具体的な経験が含まれているか
- 希望条件を必要な範囲で記載しているか
- 職務経歴書など、必要な添付書類がそろっているか
介護職の転職で履歴書を書くときは、勤務先の種類、担当業務、資格、応募先で生かせる経験を具体的に記載します。志望動機と自己PRは、経験と応募先で実現したいことを結びつけると、内容に一貫性が出ます。
まずは募集要項で提出書類と勤務条件を確認し、職歴と資格の年月を正確に整理してから、応募先に合わせて志望動機を書きましょう。







