介護職の転職後に受ける研修が、勤務先の指示で業務の一部として行われる場合は、原則として給料が支払われます。研修期間中だからという理由だけで、無給にできるわけではありません。
ただし、入社前に本人の判断で参加する任意の説明会や、採用選考のための研修などは、扱いが異なることがあります。給料の有無は、研修の内容、参加の義務、実施時間、雇用契約の開始日によって判断します。
介護職の研修期間でも給料が出る主なケース
次のような研修は、労働時間として扱われ、給料の支払い対象になる可能性が高いものです。
- 勤務先から参加を指示されている研修
- 参加しなければ業務に就けない新人研修
- 施設のルール、介護記録、移乗介助などを学ぶ研修
- 先輩職員の指導を受けながら行うOJT
- 勤務シフトに組み込まれた研修
- 研修中に利用者への介助や記録など、実際の業務を行う場合
形式上は「研修」でも、勤務先の指揮命令を受けて参加し、業務に必要な知識や技能を身につける時間であれば、労働時間と判断されることがあります。
給料が出ない可能性がある研修
一方で、雇用契約が始まる前に、参加が完全に任意の研修や説明会へ出席するだけなら、必ず給料が支払われるとは限りません。
たとえば、次のような場合は、雇用契約や募集条件を確認する必要があります。
- 入社前に任意で参加する施設見学や説明会
- 採用後でも、参加しなくても採用や勤務に影響しない勉強会
- 本人が希望して参加する外部講座
- 雇用契約の開始日前に行われる、任意の事前学習
ただし、「自由参加」と説明されていても、実際には参加を強く求められていたり、参加しないと勤務できなかったりする場合は、単純に無給とは判断できません。参加の実態が重要です。
研修期間の給料を判断する4つのポイント
1. 雇用契約の開始日
まず、雇用契約がいつから始まっているかを確認します。入社日が研修初日であれば、その日から賃金が発生するのが基本です。
反対に、入社日前の研修であれば、研修への参加が義務か任意か、研修中に業務を行うかなどによって扱いが変わります。
2. 研修への参加が義務か
研修に参加しなければ採用されない、勤務を開始できない、業務を担当できないといった条件がある場合は、勤務先の指示による研修と考えられやすくなります。
「自由参加」と言われていても、欠席すると不利益がある場合は、実際には任意ではない可能性があります。
3. 研修中に業務をしているか
座学だけでなく、利用者の移動介助、食事介助、入浴介助、見守り、記録作成などを行っている場合は、研修という名称だけで無給にできるとは限りません。
先輩職員がそばで指導していても、実際の施設業務に従事している時間は、労働時間として扱われることがあります。
4. 募集内容や労働条件通知書に何と書かれているか
採用時には、賃金、労働時間、契約期間、試用期間などの労働条件が示されます。研修期間中の賃金が別に定められている場合は、その内容を確認してください。
ただし、書面に「研修期間は無給」と書かれていても、実際には勤務先の指示で業務をしている場合、記載だけで適法になるとは限りません。
試用期間なら給料はどうなる?
試用期間中も、雇用契約が成立して働いているなら、通常は給料が支払われます。試用期間は、能力や勤務態度を確認する期間であり、無給で働かせる期間という意味ではありません。
本採用後より低い賃金を設定することはあり得ますが、労働条件として明示され、最低賃金を下回らないことなどが必要です。介護職の研修期間と試用期間が重なっている場合は、給与額と期間を労働条件通知書で確認しましょう。
研修期間中の給料で確認する項目
給料が出るかを確認するときは、次の項目を勤務先に尋ねると判断しやすくなります。
- 研修初日は雇用契約の開始日か
- 研修は勤務時間として扱われるか
- 研修中の時給または月給はいくらか
- 研修時間は勤務表やタイムカードに記録するか
- 研修会場までの移動時間や交通費はどう扱うか
- 研修中に介助や記録などの業務を行うか
- 研修を欠席した場合に勤務や採用へ影響するか
- 給料の締め日と支払日はいつか
月給制の場合、研修期間だけ給料が別に振り込まれるのではなく、通常の給与支払日にまとめて支払われることがあります。研修を受けた直後に入金されないからといって、無給とは限りません。
研修中の給料が説明と違うときの対応
研修に参加した日、時間、内容、誰から指示を受けたかを記録しておきましょう。求人票、雇用契約書、労働条件通知書、勤務表、給与明細、担当者とのメッセージも保管します。
- 労働条件通知書や雇用契約書で、賃金と雇用開始日を確認する。
- 施設の責任者や人事担当者に、研修時間が給与計算に入っているか尋ねる。
- 未払いがある場合は、研修日、時間、業務内容を示して支払いを求める。
- 解決しない場合は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーなどに相談する。
相談するときは、「研修だった」とだけ伝えるよりも、参加が義務だったか、何時間参加したか、実際にどの業務をしたかを具体的に説明すると状況を整理しやすくなります。
まとめ
介護職の転職後でも、勤務先の指示で参加する研修や、業務を行いながら受けるOJTは、原則として給料の対象です。給料が出るかどうかは、「研修」という名前ではなく、雇用契約の開始日、参加義務、実際の業務内容によって判断します。
転職後に研修へ参加する前に、研修期間中の賃金、勤務時間への計上方法、給与の支払日を採用担当者へ確認しておきましょう。







